小腸カプセル内視鏡検査について

小腸カプセル内視鏡検査とは

小腸カプセル内視鏡検査

小腸カプセル内視鏡検査

超小型カメラを内蔵した長さ26mm×幅11mmのカプセルをビタミン剤のように口から飲み込むだけの内視鏡検査です。小腸は、全長が6m~7mと長く、全消化管の75%を占める、体内で最も長い臓器であり、従来の内視鏡やその他の検査方法では十分な観察が出来ませんでした。そのため、優れた検査方法の開発が望まれていました。カプセル内視鏡を飲むことで小腸内を直接観察し、クローン病や原因不明の消化管出血など小腸疾患の診断を簡単に苦痛なく行える検査です。

特徴

従来、他の小腸検査では見逃されてきた病変の検出が可能となります。
苦痛がほとんど無い検査です。
検査中は日常生活ができます。
検査開始2時間後からお水、4時間後から軽い食事を取る事ができます。

メリット デメリット
苦痛がほとんど無い検査です。 腸の中にある濁った腸液や便で病気が見つけにくい場合があります。
検査中は日常生活ができます。 見たい場所を集中的に見るということが難しいです。
検査開始2時間後からお水、
4時間後から軽い食事を取る事ができます。
診断ができても治療が出来ません。

消化管開通性評価について

病気で消化管が狭くなっている場合は、カプセル内視鏡検査を行う前に、消化管開通性確認用カプセルを使用してカプセルが消化管を問題なく通過できるかどうかの確認を行いますので、安全にカプセル内視鏡検査が実施できます。

検査の流れ

検査前日

消化の良い食事を午後10時までに取り、その後の飲食は控えてください。なお、喫煙はカプセルを飲む24時間前から控えてください。

検査当日

病院にお越しいただき、受付を済ませてください。内視鏡室受付スタッフに検査同意書を提出してください。
アンテナを腹部に貼付し、記録装置をベルトで腰に付けます。カプセル内視鏡を適量の水で飲み込みます。カプセルが十二指腸に到達した事が確認できましたら、職場やご家庭にお戻りいただけます。

検査翌日

翌日、病院にお越しいただき、アンテナと記録装置を返却していただきます。カプセルは後日排便時に体外に排出されます。

検査費用

保健適用について

従来の検査法である胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査を行っても、出血の原因がわからない原因不明の消化管出血の場合が適応となります。

検査費用一覧

保険適用(3割負担)の場合 31,000円程度
自由(自費)適用の場合 105,000円程度

※別途、診察料が必要となります。

Q&A

カプセル内視鏡が腸管内で留まることはないですか?
まれですが、病変により腸管内が狭くなっているところでカプセル内視鏡が留まってしまうことがあります。その場合のリスクとして、腸閉塞、穿孔、出血などが考えられます。事前に十分な開通性評価判定を行いますが、それでもカプセル内視鏡が体内から排出されない可能性があります。排便とともに排出されない場合には、下剤などを服用していただき排出を促進することを担当医師が検討しますが、それでも排出されない時は、内視鏡または開腹手術によって病変の治療を行い、カプセル内視鏡を回収する場合があります。
消化管開通性評価用カプセル(パテンシーカプセル)が腸管内で留まった場合はどうなりますか?
担当医師が腹部レントゲンなどで、パテンシーカプセルが体内に残っているかどうか確認します。パテンシーカプセルは排出されなくても、通常は100〜200時間以内に崩壊します。しかし、まれに消化管内部で留まり、腸閉塞を起こす可能性があります。腹痛、悪心・嘔吐、腹部膨満感、排便停止などの兆候、および症状がありましたら、担当医師にお伝え下さい。
(また、嚥下後、30時間以内に、自然排出されない場合でも、パテンシーカプセルのボディが原形を留めたまま、大腸内に到達していればカプセル内視鏡検査を受けられる場合もあります。
カプセル内視鏡検査中、注意する点はありますか?
検査中は、電子レンジなど電磁波を出す家電製品の近くや、MRI、超高圧送電線など強力な電磁波が発生する場所には近づかないで下さい。携帯電話などを使用すると検査画像に乱れが出る場合がありますので、使用は控えて下さい。その他、詳細は担当医師にお聞き下さい。
また、心臓ペースメーカーが体内に入っている方は、事前に担当医師とご相談下さい。
パテンシーカプセルは必ず回収しなければいけないの?
パテンシーカプセルは回収して担当医師に提出しなければ、カプセル内視鏡検査を受けられない場合があります。消化管開通性の評価は、パテンシーカプセルのボディの状態によって、判断されます。回収時や検査施設まで持参する際に、取り扱いには注意して下さい。
カプセル内視鏡はどうやって回収するの?
カプセル内視鏡は、排便時に自然に排出されます。地方自治体や検査施設のルールに従って、適切に回収・廃棄する必要があります。
そのため、配布される回収キットを用いて、カプセル内視鏡を回収して下さい。